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井戸水には種類があるの?井戸の硬水と軟水は使用用途で選ぶことが必要2019年4月18日 更新

古くから私たち日本人の生活水源としてなくてはならなかった「井戸水」ですが、水の種類やその使用用途などもさまざまです。
日本では食事や飲用水としても日常的に使用されてきました。

今も使っている井戸水をどうすれば、より効果的に使用できるか?知りたいところではないでしょうか?
そこで今回は井戸水の種類とその使用用途について、簡単に説明していきたいと思います。

 

 

井戸水の種類は?軟水と硬水に分けられる

 

井戸水は地域や環境、井戸の深さによって水の硬度が変わり、大きく硬水と軟水に分けられます。
硬水と軟水はどちらも違う特徴を持っているので、井戸工事の際は目的に合わせて深さや工種なども業者さんに相談すると良いでしょう。

 

以前、当ブログでも軟水と硬水の違いなどについて触れています。

<トチナンブログ>
井戸水の種類は軟水と硬水のどっち?
https://k-tochinan.com/information/510/

 

水には少なからず、カルシウムやマグネシウム、鉄といった硬度成分が含まれており、これら硬度成分の含有量で水の硬度が決まります。
つまり、硬度の高い水を硬水、硬度の低い水を軟水と呼びます。具体的には、硬度が120mg/L未満の水を軟水、120mg/L以上の水が硬水となります。

雨水や蒸留水は硬度が0ですが、水道水や井戸水には必ずカルシウムとマグネシウムが含まれます。
そのため、軟水を求める場合は、カルシウムやマグネシウムなどの硬度主成分を取り除く必要があります。

また、井戸水や地下水は地層に含まれるミネラル分の量に左右されるため、地域や井戸の深さによっても水の硬度に差がでます。
硬水と軟水の大きな違いは、マグネシウムやカルシウムといったミネラル分の含有量にあります。

日本の水道水は基本的に60mg/L以下の軟水であり、日本人はミネラル分が不足しがちな傾向にあります。
しかし、ミネラル分を多く摂取すると胃に負担がかかることがあります。

 

 

軟水と硬水、その使い分け方とは?

 

普段からミネラルをあまり摂取しない日本人は、硬水を多く飲むと胃に負担がかかり、体調を崩したり下痢を引き起こす元にもなります。
ヨーロッパや東南アジアの水道水は基本的に硬水のため、旅行に行った際には水道水を口にしないように言われるのもそのためです。

 

また、硬水は含有する硬度成分が多いため、急速に熱を加えた場合には結晶が残りがちです。
そのため、湯沸しポットやアイロン・洗車などには不向きといえます。

 

石鹸類も硬度成分と反応して石鹸カスを生成するので泡立ちが悪くなり、身体を洗ったり洗濯水として使用するのにも向きません。
しかし、硬水はミネラル分が豊富なため、スポーツや動脈硬化の予防、便秘解消に効果的です。

 

また、パスタなどのイタリアン料理や肉料理などにも、硬水は適していると言われています。
ヨーロッパの国々では硬水が多いため、それに沿った食文化が広がって行ったのかもしれませんね。

 

使用用途は限られる硬水ですが、飲み水や一部の料理用として上手に使用すれば、高い効果を得られます。
一方の軟水は、硬水に比べて口当たりがよく、無味無臭のため料理にも最適です。

 

ミネラルは摂取できませんが、胃に負担がかからないので、赤ちゃんのミルクやお年寄りの飲み水としても安心で、胃腸の弱い日本人にも飲みやすいです。
特に素材を活かした日本料理には、だしの旨味をしっかりと引き出してくれる軟水が適しているといえます。

また、硬度成分が含有されていない分、お風呂の水やアイロン、洗濯など、日常生活において様々な面で使用することができます。
日本の水源は良質な軟水が多く、井戸水として適しています。

 

 

井戸水の種類/軟水と硬水は選ぶことはできない!?

 

井戸自体を使用用途に応じて、意図的に軟水・硬水と選んで作ることは難しいです。
先ほど日本では軟水の割合が多いと書きましたが、地域によっては地層に含まれるマグネシウムやカルシウムなどの硬度成分を多く含んでいる場合があり、硬水となる場合もあります。

井戸はその地域の状況や周囲の環境にも左右されるものですので、確実に軟水/硬水と分けて作ることはできません。

 

では軟水と硬水を選ぶには?

軟水と硬水はそのミネラル分(カルシウム・マグネシウム)の含有量によって区分されます。

 

引用元:evian ミネラル量と水の硬度、硬水と軟水の違い

http://www.evian.co.jp/water/type/04/

“水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」といいます。WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」といいます。簡単にいうと、カルシウムとマグネシウムが比較的多く含まれる水が硬水になります。東京の水道水の硬度は60mg/l前後で軟水に、エビアンの硬度は304mg/lなので硬水になります。また、一般的には、硬度0~100mg/lを軟水、101~300mg/lを中硬水、301mg/l以上を硬水に分けられます。

見た目は同じですが、まろやかに感じたり重々しく感じたり、水にも風味があるのはこのため。成分の違いから、一般的に軟水は口当たりが軽く、硬水はマグネシウムが多いほどしっかりした飲みごたえを感じるようです。

硬度=(カルシウム量mg/l×2.5)+(マグネシウム量mg/l×4)”

 

ですので、以下のようなことが言えます。

軟水=ミネラル分が少ない
硬水=ミネラル分が多い

 

<軟水→硬水>
軟水とは硬水よりもミネラル分の含有量が低い水のことになります。
なのでミネラル分自体を何かの方法で足せば、硬水を作ることはできるでしょう。
ミネラル分の多い「にがり」などを加える方法もありますが、普通の軟水と比べると消化するために胃腸に負担がかかり、下痢や腹痛になる場合もあるので注意が必要です。

 

<硬水→軟水>
業務の用途や生活水として軟水を使用するのであれば、硬度成分を除去する必要があります。
硬度成分の除去は、井戸工事の際に設置する軟水器などを使用します。
原水が機械を通ることで、マグネシウムやカルシウム、鉄などの硬度成分をフィルターで除去し、軟水へ変換します。

 

 

まとめ

井戸の深さによっても硬度が変化します。10m以内の浅井戸の場合は軟水、それ以上の深井戸の場合は硬水となる場合が多いです。
硬水と軟水はそれぞれにメリットとデメリットがあり、目的に合わせた選択が必要です。

硬水は使用用途が限られる一方で、軟水は工業用や生活用にも幅広く使われる上、飲み水としても安心といえます。
井戸工事の際にはしっかりと用途を見極めて業者に相談しましょう。

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