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消火用スプリンクラーの設置基準は?正しく知って、火災を早期に感知!2020年11月20日 更新

消防用スプリンクラーとは、火災が発生した時に天井や屋根下部分に配置されたスプリンクラーヘッドが、火災の感知から放水までを自動的に行う消防用設備の一つです。

この設備は、大量に散水することで初期消火することを主な目的としています。また、防災設備の中では最も高額なので設置費用がかかりますが、初期消火の効果が高いので多くの施設に設置されています。

この記事では、消火用スプリンクラーの設置基準や種類をご紹介します。環境に最適なスプリンクラーを選ぶ際の参考にしてください。

 

設置が必要な場所

消火用スプリンクラーの設置が必要な施設には、火災で多大な経済的損失を被るおそれのある店舗や大型施設、消火が難しい高層建物や地下街があります。

さらに福祉施設、病院、映画館、ホテルなど火災が発生すると多くの人の命に関わることになりうる場所があげられます。
このような施設は、スプリンクラーの設置基準を満たしていることが条件となりますので、建物内にスプリンクラーを設置することがとても重要になります。

 

設置基準

スプリンクラーの設置基準は、消防法の消防法施行令第12条によって細かく定められており、階層や延床面積などによって設置されるものが異なります。

例えば、高層階の建物ですと、高層階になるほど火災時に避難することが難しくなったり、消防自動車が入れないという理由から、11階以上の階層には必ずスプリンクラーの設置が必要になります。

参考:Gov法令検索-消防法施行規則:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=336M50000008006#526

 

スプリンクラー設備の種類と特徴

「消火用スプリンクラー」と一口にいっても、さまざまな種類があります。

大きく「閉鎖型」と「開放型」に分けられます。「閉鎖型」は、水の出口が常に閉じられているもので、「開放型」は、水の出口が常に開いているものです。

さらに、「閉鎖型」には「湿式」、「乾式」、「予作動式」の3種類があります。

 

 

まず「湿式」は、配管内に水が充満していて、スプリンクラーヘッドの感熱部の金属が熱で溶け湿式流水検知装置が作動して放水する方式です。
スプリンクラー設備の中で、最も一般的なタイプになります。

次に「乾式」は、乾式流水検知装置の二次側の配管部を加圧空気で満たし、スプリンクラーヘッドの感熱部の作動により加圧空気を放出し、乾式流水検知装置が作動して放水する方式です。

 

最後に「予作動式」は、火災報知器などの作動により、予作動式流水検知装置が開放し、スプリンクラー配管中に圧力水を送り、
さらに加熱によるスプリンクラーヘッドの作動により放水を開始します。

引用先:一般社団法人 東京防災設備保守協会(スプリンクラー設備)

 

また誤作動が起きないように改良がされていて、精密機器などが置いてある所に設置されていることが多いです。
火災報知器と連動して作動するようになっているため、誤作動が起きる心配がありません。

 

 

その他にも、放水型スプリンクラーヘッドといって、通常のスプリンクラーを設置するのが難しい10メートル以上の高い天井に設置するものもあります。
こちらも火災報知器と連動して作動するものになりますので、誤作動が起きる心配はありません。

またセンサーを利用して火災が起きている場所に放水できるので、ピンポイントで消火作業を行うことができる優れものです。

以上のように、スプリンクラー設備は、建物の高さや広さ、また用途によって変わってきます。
大切な建物や財産、そして何より人命を守るためにも正しく設置し、早期発見、早期消化に努めましょう。

 

消防設備の大切さについて、以前ブログにてご紹介しておりますので、こちらも併せてご覧ください。
過去の関連ブログ:「違反対象物公表制度とは?消防設備は大切なのか?」

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