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井戸水にピロリ菌はいるの?ピロリ菌の調査方法と感染を防ぐポイント2020年3月30日 更新

近年の自然災害等の増加の影響で水源確保の手段として井戸が見直されてきています。
断水時にも安心して使用することができることから、住宅に限らず大型施設や会社・工場等でも設置を検討されている方も多いと思います。

しかし井戸水は飲用水として使用する場合は、いろいろなリスクも伴うことがあります。
その一つとして挙げられるのが細菌類の有無です。

特にピロリ菌に関しては耳にしたことのある方も多いと思います。
そこで今回は井戸水にピロリ菌がどのくらい存在するのか?またその対処法などを解説していきたいと思います。

 

 

井戸水にピロリ菌は存在するのか?

人間が生きていく上で水源確保は非常に重要であり、その健康を維持するうえでも水分補給は欠かせません。
でも一口に水分補給と言っても、世の中にはさまざまな飲み物がありますが、全ての生き物にとって一番身近な存在が「水」になるでしょう。

 

 

水と言えば家庭内の水道水や市販のミネラルウォーターなどが一般的ですが、地方など場所によっては経済的に飲み水の補給をするために井戸水を利用するケースも少なくありません。
井戸水は地下水を汲み上げる湧き水なので一見すると市販のミネラルウォーターのように安全と思われがちですが、気を付けるべき注意点もあります。

それがピロリ菌の存在です。数多くある菌の中でも比較的有名な存在で、みなさんも1度は耳にしたことがある人もいるかもしれません。
ピロリ菌は人間の体内に入り込むと胃の粘膜に感染して、胃炎や十二指腸潰瘍などの症状を引き起こすだけでなく、症状が進むと胃がんを発症することもあるので注意が必要です。

 

感染経路は主に経口感染や井戸水によるもので、現在のように家庭用の水道が一般に普及する以前に井戸水を飲み水としていた世代に感染者が多いとされています。
とはいえ、井戸水の全てがピロリ菌の感染源となるわけではなく、全国にある井戸水の中には名水と呼ばれる物も多く存在するのも事実です。

ではなぜ同じ地下水なのに場所によって安全性が異なるのかというと、井戸の深さが影響していると考えられます。
井戸水を利用するためには当然のことながら地下を掘り進んでいく必要がありますが、どの程度の深さまで掘り進めば水が出るかについては場所によってそれぞれです。
比較的浅い穴で地下水を掘り当てられるケースもあれば、中には数百メートル掘らなくてはいけないこともあります。

 

 

井戸水の水質や細菌類(ピロリ菌)の有無は、その環境によって変わります。

平成14年に大分県で実施された検査によると自然環境の中には、普遍的にピロリ菌が存在していることが報告されています。

引用元:“感染症学雑誌第77巻第1号
❝我々の調査においても井戸水 43検体中 5 検体からH. pylori遺伝子が検出された.このことは,他の地域においてもほぼ同程度の割合で井戸水から検出されることを示しており,自然環境中には普遍的にH. pyloriが存在している可能性を示唆するものである.井戸水の飲用に限らず,日常生活をとりまく様々な環境の中に感染の機会があると考えられる。❞

タイトル:飲料用井戸水中のHelicobacter pylori存在に関する疫学的検討

http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0770010018.pdf

 

上記のことから考えても井戸水を飲用水として使用したい場合は、井戸工事をした後に細菌の有無を調べる検査を受けることをお勧めします。

 

 

使用する井戸水に菌が存在するかどうかについては、専門の業者に調査を依頼をすることが可能です。
日本では家庭用の水道水に関しては安全の確保のための水質検査の義務が法律で定められています。

以前、水質検査については当ブログにおいても触れています。
タイトル:井戸水の水質検査は必要?必ず検査する義務はあるのか?

 

各自治体でも水質検査の補助金を制度化しているところもあるので、管轄当局に問い合わせしてみると良いでしょう。
但し、個人の所有している井戸水の水質検査を行なう場合は実費による調査という形になることが多いと思います。

 

 

調査の結果、万が一使用している井戸水から菌が発見された場合は適切な対処が必要です。
ピロリ菌は塩素に弱いという特性を持っているため、塩素消毒によって死滅させることができます。

一般家庭の水道水にピロリ菌が存在しないのは蛇口から出てきた時点で塩素消毒によって菌が死滅しているのが理由です。
つまり、井戸水に菌が存在していても水道水と同様の手順を踏むことで安全な飲み水に変えることができます。

 

 

ただし、塩素消毒には飲んだ時に特有のカルキ臭がするというデメリットがあるのは否めません。
この塩素自体は人体に影響はないとはいえ、臭いが気になるという場合は浄水器の利用がおすすめです。

こちらは消毒による死滅ではなく菌を取り除く形になるので、安全性はもちろんのこと、不快な臭いも発生しません。
費用面でもこちらの方がコストを抑えられます。

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