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さく井工事の工法や種類とは?さく井工事のための「まめ知識」を公開します。2018年10月31日 更新


私たちトチナンは井戸工事に45年以上関わってきました。
しかしお客様からも「さく井工事とは?どんなことをするのか!?」といった質問を頂きます。

井戸工事のことを「さく井」と言いますが、一般の人には余り馴染みのない言葉だと思います。
そこで今回はさく井工事の工事の種類や工法について説明していきたいと思います。

 

さく井工事とは?

さく井工事とは、さく井機械を使用してさく孔やさく井を行う工事や、その工事のために揚水設備を設置する工事のことです。
おもに井戸を掘る工事のことで、以下のような井戸を掘ることを指します。

・地下水を汲み上げるための井戸
・地下水の水質を調査
・観測するための井戸
・温泉井戸
・油田で原油の採掘に使用する油井
・天然ガスの開発に使用される天然ガス井など

 

工事の前に井戸の口径・深度、工法、工事に用いる資材を決めます。
口径は一般家庭では50mmから150mm、工場などでは250mから450mmほどが多く、大口径さく井の場合は1000mmほどであるのが一般的です。
深度は、一般的なさく井工事で民間の場合は50mから150m、官庁などでは100mから400mほどになり、大口径さく井では10mから30mであることが多いです。

 

さく井工事の工法とそれぞれの違い

井戸の掘削工法にはおもにロータリー工法、パーカッション工法、エアーハンマー工法などがあります。

ロータリー工法は、トリコンビットという刃先を地上にある機械で回転させて掘る工法です。

トリコンビットと地上の機械はロッドで連結しており、トリコンビットが回転することで地層が砕かれ、
掘削が進められていきます。水道水源や温泉井戸、工場用の井戸の掘削に用いることが多く、岩盤や未固結堆積層などの様々な地層に対応可能です。

掘削中は孔の中に常時泥水を循環させ、孔の崩壊を防止しながら掘りくずを排出します。

温泉井戸の場合は何回かに分けて掘ることが多く、1段目に目標の深度まで掘った後は、周りの地層が崩れるのを防ぐために孔に鉄管を入れます。6mほどの長さの鉄管を溶接して繋ぎながら入れ、鉄管と地層の間はセメントで固めます。
これによって井戸に地下水が入るのを防ぎ、温泉の温度が低下しないようにします。

2段目の掘削には1段目より小さいビットを用います。3段目も掘削する場合は2段目に鉄管を入れ、その中を掘り進めます。
2段目が掘り終わったら鉄管を入れます。
温泉の掘削がここで終了した場合はセメントで固めず、孔の開いたスクリーンと呼ばれる鉄管を使い、井戸の中に温泉が入ってくるようにします。温泉は水中ポンプで汲み上げて、露天風呂などに使われます。

ロータリー工法では泥水の処理に経費がかかることが多く、ロッドを揚降する時には最低でも人員が3名必要です。
浅い井戸と深い井戸の両方が掘削可能で、どんな地層にも安定して対応可能な点が長所です。

 

パーカッション工法では、ワンビットというビットをワイヤーロープで吊り下げ、地層に打ち付けることで掘削します。
ロープを上下に動かして衝撃を発生させ、地層を崩します。

柔らかい地層を掘削するのに適しており、砂層や玉石層を掘削するのに向いています。
泥水は循環せず、少人数での作業が可能で、素早く設営できます。掘進率は他の工法よりも遅く、ロータリー工法と比べると振動や騒音が大きいです。

 

掘削が進み掘りくずが溜まってきたら、ビットを地上に揚げ、ベーラーをワイヤーで孔に降ろすことで、堀りくずを汲み出します。
この掘りくずを汲み出す時、または掘進と同時に孔内に補泥することで、孔の崩壊を防止します。
この工法は水道施設や工場、ゴルフ場などで用いられることが多いです。

エアーハンマー工法はビットに圧縮空気を送りその打撃力で掘削する工法です。
泥水は使用せず、硬い岩盤地帯でも掘削可能ですが、固結度の低い場所では使用できません。

通常は掘削しながらケーシングも行うため、短期間で安価に工事することも可能です。
狭い場所や小さい井戸を掘削する時に用いられ、掘削中に水質や水量を調査できるので、試掘井戸に使われることが多いです。

 

 

 

 

さく井工事にはこのような工事方法があり、工事の目的や場所によって工法を使い分けることが可能となっています。

現場となる土地の環境やさまざまな状況によっても、工事内容は変わってきます。

 

株式会社トチナンでは長年の経験を生かした、幅広いさく井工事に対応しております。

新規井戸設置工事や井戸の改修・メンテナンスなど井戸に関することなら、トチナンにお問い合わせください。

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