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安心・安全な水の提供を確保するには?給排水設備は、定期点検とメンテナンスが重要です!2020年10月20日 更新

わたしたちの生活に欠かせない水を給排水する設備は、建物や施設にとって「人体における血管のようなもの」と例えられるほど、
日々の暮らしと深く関わっています。日頃、気にかけない部分なので、気づいたら老朽化が進んでいたということになりかねません。

 

トラブルが発生してしまったら、安心・安全な水が供給されないばかりか店や建物への信頼を損ねることにもつながります。
大規模な工事になれば、納期はかかってしまいますし、その時は営業自体ができない…ということも起こるかもしれません。

 

 

今回は給排水設備の安定した運用に役立てて欲しいと考え、本記事では給排水設備の特徴と定期点検やメンテナンスの重要性についてお伝えしていきたいと思います。

 

給排水設備とは

 

建物内に水を供給する「給水」と、汚水や雑排水、雨水等を建物の外に排出する「排水」を通す設備のことをいいます。

水道管、貯水タンク、給水タンク、排水管、トイレの水洗用設備、雨樋、浄化槽、スプリンクラー、屋根の雪を熱で融かして排水する
スノーダクトなどが、これにあたります。

 

 

一般住宅でも、大型の施設においても、必要な水の供給と不要な水の排水を司っているとても重要な設備になります。

 

給排水設備の構造

給水装置からの水の汚染を防止するため、給水装置の構造や材質は厚生労働省令で細かく定められています。
ほんの一例ですが、給排水設備の構造についての決まりをご紹介します。

・配水管の取りつけ位置
・配水管への取付け口における給水管の口径
・配水管に影響を及ぼすおそれのあるポンプに直接連結されていないか
・水圧、土圧その他の荷重への耐力があり、水が汚染されたりもれるおそれがないか
・凍結、破壊、侵食などを防ぐ措置がなされているか
・給水装置は水の逆流を防ぐ措置がなされているか

 

参考情報:厚生労働省 水道法

 

 

前述の通り非常に細かく分類されており、設置可能なものは細かくルールを定めているので、専門の業者さんに良く確認することをお勧めします。
給排水設備は法令通りに設置することが非常に重要になってきます。

 

給排水設備の材質

 

給排水設備の配管には、家屋やマンション、商業施設などの建築設備によってさまざまな材質が使われています。
建物によって、水、湯、排水、通気、蒸気、冷温水、冷却水、冷媒など流体の種類や
温度、圧力に耐えられるものなど最適なものを選びます。

 

また給水・給湯・排水用など用途によって配管材料が異なりますので、
こちらも用途に合わせた材質を選んで使用する必要があります。

 

 

主な材質の種類には、強度が大で耐久性があり、衝撃に強いタイプのダクタイル鋳鉄や硬質塩化ビニルライニング鋼。
そして、耐食性に優れ、重量が軽く施工性がよいポリエチレンや硬質塩化ビニルなどがあります。

 

他にも種類はありますが、それぞれの材質の長所や短所を熟知した上で適切に使用することが大切です。

 

給排水設備の耐用年数と点検項目

 

給排水設備はメンテナンスの良し悪しによって、同じ設備機器でも大きな寿命の差が生じます。
また、事後保全のみ場合は法定耐用年数まで持たないこともあります。

定期点検を正しく実施した場合は、事後保全の1.5~2倍位に寿命が延びるという統計もあるほどです。

 

 

設備の点検項目の一例には、次のようなものが挙げられます。
・飲料水の水質検査
・水槽の点検、清掃
・排水管排水桝の清掃
・ポンプや運転。制御機能の点検

 

安定的に運用するためにも、設備の定期的な点検・メンテナンスを行う方が安心できますね。
特に大型・大人数で使用するような施設の場合は、しっかりとした定期点検とメンテナンスを行う方が良いと思います。

 

給排水設備の定期点検とメンテナンス

 

給水施設の清掃について、貯水槽に関しては水道法第34条で、年1回と義務づけられています。
10m²以下の受水槽について、法的な義務はありませんが簡易専用水道に準ずる指導がされています。

参考:“厚生労働省|水道法第34条

 

また、総床面積3000m²以上のビルの場合は、建築物管理基準により年1回の清掃点検が義務づけられています。

 

排水設備の補修および清掃は、汚水などの漏出がおこらないよう建築物衛生法で6ヶ月に1回行うことが義務づけられています。

 

 

その他、厚生労働大臣が定める「空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」に従い、
排水に関する設備の補修、掃除その他の設備の維持管理に努めなくてはなりません。

引用元:“厚生労働省|空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準

 

定期点検を怠った場合、耐久性に影響が出てくると言われています。

受水槽と高架水槽は15年もてば良く、
排水槽にいたっては5年が限界になるなど、設備の耐用年数が大幅に短くなってしまいます。

 

使用期間が短くなれば、整備を入れ替える手配や工事をする機会が増え、
通常の倍の速さで経費がかさむことになり企業や事業主の経済的な負担が増えることになります。

 

 

また、衛生設備の工事は、設備を入れ替えれるだけでなく、
工事のたびに水道局に工事の申請をしなければならず業務の手間が増えることにもなります。

 

こういったことから、日々の生活を支える給排水設備を正常に保ち、
いつでも安心して水が使えるよう定期的な点検とメンテナンスを行うことが大切です。

 

建物や設備を運営管理される方も、利用される方々もみなさんが安心して過ごすことができるように、
給排水設備も定期的に点検・メンテナンスを行い、万全の状態にしておきたいものですね。

 

>>過去の関連ブログ
「安全で衛生的な給排水設備の維持方法は?メンテナンスが重要!」

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