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空調設備の管理に必要な資格は?定期的なメンテナンスが必要ってホント!?2020年11月1日 更新

空調設備には、室内の温度や湿度を保つだけではなく、空気の流れを作り空気を清潔に保つという大切な役割があります。
私たちが日頃、室内で快適に過ごすことができるのは、資格をもった専門家たちが空調設備が正常に働くよう定期的にメンテナンスをしているからです。

この記事では、空調設備のメンテナンスを行う際に必要な資格と、空調設備を最適に使い続けるためのメンテナンスの基礎知識についてお伝えいたします。

 

空調メンテナンスに関する資格

 

代表的な資格には、冷凍機械責任者や電気主任技術者、電気工事士やボイラー技士といった国家資格があげられます。
それぞれの特徴を簡単に説明していきたいと思います。

 

■冷凍機械責任者

冷凍機械責任者は、高圧ガス製造保安責任者の資格区分の一つで、ビルや住居の空調設備を含む冷凍設備に関わる機械や装置の保安業務をおこないます。
大型の冷凍機械を導入している企業では、規模に応じた種類の冷凍機械責任者を選任しなければなりません。

冷凍機機械責任者の資格は、難易度の低い順に以下の3つの種類に別れます。

第3種冷凍機械責任者:1日の冷凍能力が100t未満
第2種冷凍機械責任者:1日の冷凍能力が300t未満
第1種冷凍機械責任者:全ての製造施設

 

冷凍機械責任者がいなければならないような施設は減少していますが、冷凍設備に関する知識は多くの現場で求められています。
例えば、ビルの空調施設、食品工場や化学工場の冷凍・冷却装置、商業施設、病院など、身近な場所で冷凍機械責任者の需要は今後も見込まれています。

参考:【資格】本当に役立つ資格、全く役立たない資格-冷凍機械責任者

 

 

■電気主任技術者

電気主任技術者は、発電所や変電所、工場、ビルなどの電気設備の保安監督業務を行うことができます。
資格は、取り扱うことができる電圧の違いによって、第一種から第三種まで3つの種類があります。

第一種:すべての事業用電気工作物
第二種:電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物
第三種:電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)

電気設備を設けている事業主は、工事や運用など保安を監督する者として電気主任技術者を選任することが法令で義務づけられています。

参考:一般財団法人 電気技術者試験センター(電気主任技術者って何だろう?)

 

 

■電気工事士

電気工事士は、ビル、工場、商店、一般住宅などの電気設備の安全を守るため資格のある人でなければ電気工事をおこなってはならないと、法令で定められています。
この資格は、電力の大きさの違いによって、従事できる内容が異なる2種類があります。

第一種:第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事に従事できます。
第二種:一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できます。

参考:一般財団法人 電気技術者試験センター(電気工事士って何だろう?)

 

 

■ボイラー技士

ボイラー技士とは、一定規模以上のボイラーの運用や管理、保守点検などを行うための国家資格です。

ウィキペディア(Wikipedia):“ボイラー技士

‟(ボイラーぎし)とは、労働安全衛生法に基づく日本の国家資格(労働安全衛生法による免許証)の一つで、各級のボイラー技士免許試験に合格し、免許を交付された者をいう。
空調・温水ボイラーの操作、点検を業務とする。二級技士で全てのボイラー取扱いができ作業主任者は、 各級の技士が必要になり労働基準監督署に各種申請を届ける必要がある。”

参考:一般財団法人 日本ボイラ協会(ボイラー技士等関係免許)

 

空調を管理するのに必要な資格もいろいろな種類があるようです。
就職や転職などでも有利になる資格もありますので、良く調べたうえで資格取得にチャレンジするのも良いでしょう。

 

フロン排出抑制法により点検が義務化

 

業務用冷凍空調機器分野の多くはフロンガスが使用されています。そのフロンガスが大気に排出されると「地球温暖化」に大きな影響を及ぼします。
そこで2015年4月からフロン排出抑制法が施行され、業務用空調および冷凍機器について、所有者に「簡易点検・定期点検」等が新たに義務づけられました。

これは、業務用空調や冷凍機器の管理者が、フロン類の漏えい量を把握することでフロン排出量を改善させることを目標に作られたものです。

参考:環境省ホームページフロン排出抑制法ポータルサイト‐フロン排出抑制法の概要

 

 

フロン排出抑制法により義務化されたメンテナンスは、簡易点検と定期点検の2種類となります。

 

■簡易点検
簡易点検は、すべての業務用の冷凍空調機器に、3ヶ月に1回以上の点検が義務づけられています。
点検の実施者は、具体的に定められていません。

 

■定期点検
定期点検は、業務用の冷凍空調機器のうち、圧縮機に用いられる電動機の定格出力が7.5kW以上の機器について、3年に1回以上(50kW以上の空調機器は1年に1回以上)の点検が義務づけられています。
点検の実施者は、十分な知見を有する者が自らおこなうか、立ち会うことが必要となります。

参考:フロン排出抑制法ポータルサイト-機器ユーザー向け説明会資料 10ページ

引用元:“改正フロン排出抑制法に関する説明会 資料

 

 

業務用空調機器は定期的なメンテナンスが必要!

 

大型施設などの室内を最適な環境に保つためには、定期的な空調設備をメンテナンスすることが大切です。
メンテナンスをすることで、劣化した部品を早い段階で交換し、突発的な故障を未然に防ぐことが可能となります。

また、定期的にメンテナンスをすることで、設備の寿命が延びたりランニングコストの削減にもつながってきます。

 

以上のことからもわかるように、業務用の空調設備のメンテナンスは、とても重要ですし、大型空調設備のある所や空調工事を扱う会社では、専門的な知識をもった技術者の需要は高いといえます。

 

以前にもブログの中で、資格に関することや資格を取得する方法をより詳しく解説しております。
併せてご覧ください。

関連ブログ:「空調工事に必要な資格とは!?どうすれば資格は取れるのか。」

 

業務用空調設備で大切なのは安定的な稼働を確保することです。
多くの方が利用する施設であれば尚更、定期的な点検・メンテナンスは重要となってきます。

 

突然の故障などで、急に困ることのないように普段からこまめな点検・メンテナンスを実施して、安定した空調設備の運用を心がけたいですね。

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