建物にはさまざまなリスクがあると思います。
地震、洪水などの自然災害や事故、盗難などのセキュリティリスクなど対応が必要な項目は多岐に渡ると思います。
その中でも「火災のリスク」については、良く対策を考えておかないといけない重要項目になるでしょう。
総務省の統計では日本国内でも、毎年5000万件近い火災が起きているようです。
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最近の建築物は燃焼性も考慮して材料を選んでいるので、延焼に時間がかかるように対策が講じられていることが多くなってきています。
ところが昭和の時代に建築された建物はその対策がされておらず、火事になるとあっという間に延焼してしまう可能性があります。
しかし建て替えや大幅リフォームなどは現実的に難しい場合が多いので、しっかりと火事にならないような対策をしておくことが大切です。
弊社でも取り扱いをしている「消防設備」も火災対策として大切な設備ですし、大型施設などでは設置が義務付けられています。
また近年では防火対象物の変化に伴って、消防用設備が高機能化・複雑化しているため、設計技術者・施工技術者および点検技術者により高い技術レベルが要求されるようになってきています。
今回はその消防設備について、種類やその機能面の紹介をしていきたいと思います。
日本では火災の予防、災害被害の軽減などを目的とした「消防法」というものが制定されています。
<引用元>
消防法第一条で「国民の生命、財産を火災から 保護する。」と目的が示されているとおり、消防設備もその社会的役割は非常に重要なもので、
防火対象物に応じた設備を適切に設置することが大切です。
消防法における消防用設備とは以下の通りに区分されています。
・消防の用に供する設備(消火設備/警報設備/避難設備)
・消防用水
・消火活動上必要な施設
消防法の内容を良く理解して、消防設備を設置する場合には、法令に沿って設置していく必要があります。
そして消防設備がいざというときに十分な機能を発揮するために、日常的にしっかりと点検整備を行い、常にその機能を維持管理していくことも大切になってきます。
前述の通り、火災への対策としては、万が一に備えて「消防設備」を充実させておくことが重要になります。
しかし消防設備と言ってもいろいろな種類がありますので、どのような消防設備があるのかを事前に知っておくことは大切だと思います。
まず一つ目は、屋内消火栓設備になります。
この設備は、一般の住宅ではほぼ必要ありませんが大きな建物などで必要になってきます。
みなさんも学校や公共施設などの壁のところに、赤い消防用の箱のようなものが入っているのを見たことがあるのではないでしょうか?。
これが屋内消火栓設備となのですが、そもそもこれがどのような役割を果たしているか?と言いますと、壁の中を通じて水の通り道であるホースが通るようになっています。
つまり、赤いボックスの中を開けるとホースが出て来て、そこから水が噴射する仕組みになっています。
なぜこのようなものが付いているかといえば、ある程度大きな建物の場合には消防車が来たとしてもすぐに対処できるわけではありません。
火災は初期の段階で火を消すことが重要になりますので、室内に屋内消火栓設備が設置されているわけです。
これと同じような役割として、屋外消火栓設備も存在しています。
これは、屋外から消火活動を行うときに便利な道具になります。
一般住宅などであればアスファルトにマンホールがありそこから水を吸い取ることができるようになっていますが、学校などの場合にはグランドがありマンホールがあるわけではありません。
その代わり、屋外消火栓設備を従事させておくことでいつでもそこから水を吸い取り消防車が来る前に消火活動ができるようになっています。
消防法ではスプリンクラー設備を設置することを義務付けていますが、これは建物の天井などについているものです。
スプリンクラー設備は、防火対象物の天井又は屋根下部分に配置されたスプリンクラーヘッドにより、火災感知から放水までを自動的に行う消火設備です。
警報機が鳴り火災を察知すると自然にスプリンクラーが動き出しますので、仮にそこに人がいなくても大きな火災になりにくいといったメリットがあります。
スプリンクラー設備と同様に水を散水して火災を消火する設備です。
スプリンクラー設備との違いは、散水される水の粒が細かく、火災時の熱によって急激に蒸発するときに熱を奪う冷却効果と、燃焼面を蒸気で覆うことで酸素を遮断、その窒息効果で消火します。
泡消火設備は駐車場やヘリポートなど、場所が広く水による消火方法では効果が少ない場合や火災を拡大するおそれのある場所に設置される設備です。
消火用の水に泡消火薬剤を混合させ、泡放出口から放出する際に空気を吸い込んで泡を形成し、燃焼している面を覆うことで泡による窒息効果と、泡に含まれる水分による冷却効果で消火効果を発揮します。
不活性ガス消火設備は消火剤をガスで構成しており、消火後の汚染が少なく電気絶縁性と冷却効果に優れている為、電気室・美術館精密機械・電気通信機室等に多く設置されています。
消火剤による汚損が少なく、復旧を早急にすることが必要な施設に設置されるものです。
ガス系消火設備の内、消火薬剤にハロンを使用するものをハロゲン化物消火設備と称しています。
もともと航空機搭載用として開発されたものであり、重量容積が小さくても単位容積当たりの消火力が大きいので、油火災に使用されるほか、耐電性・耐金属腐食性が大きいことから、通電中の電気機器や電算機にも使用されます。
また、揮発性も大きく、放射後に汚損を残さないことから、重要図書、重要美術品等の火災にも適応します。
みなさんも良く見る機会が多い、一般に言われる「消化器」がこれに当たります。
ハンディタイプの物が多く出回っており、消火器で一番使用されているのが粉末消火薬剤を使用した消火器です。
粉末消火薬剤は良く万能消火薬剤と言われ、一部の特殊な対象物を除いてほとんどのものが消火できます。
消火原理は薬剤の熱分解で発生した二酸化炭素・水による窒息効果・冷却作用・燃焼連鎖反応を止める負触媒効果の複合作用によるものです。
化学消火薬剤の中でも短時間に驚異的な消火能力を発揮してくれるのが粉末消火薬剤です。
この特徴を生かしながらシステムとして大型化されたのが粉末消火設備のシステムになります。
動力消防ポンプとは、ポンプ・ポンプ駆動用の内燃機関、またははこれらと同等かそれ以上の性能を持つ機関のことです。他にも消防用に設置されるポンプ設備をいいます。
「ポンプ、内燃機関、車台(軽可搬消防ポンプを除く)、その他必要な機械器具から構成される消防の用に供するポンプ設備」とされています。
軽可搬消防ポンプとは、乾燥重量100kg以下の比較的軽い可搬消防ポンプのことを指しており、動力消防ポンプとしては主に軽可搬消防ポンプが用いられます。
このようにいろいろな消防設備がありますが、費用対効果を考えてその建物に適切な消防設備を取り付けることが重要になります。
火災は予期せぬ時に起きるものです。
建物の安全と、万が一の有事に備えるためにも消防設備は非常に重要な役割を持つことになります。
トチナンでは消防設備の設置工事も行っております。
設置のことでご相談がればお気軽にお問い合わせください。